農家の収入
農業を起業するうえで気になるのが年収です。
農家の年収はどの程度あるのでしょうか?
農家の平均収入
農業経営統計調査によると平成26年の農家の平均年収は456万円でした。
近年は農家の平均収入は減少傾向にあります。
地域別では大きい畑が多い北海道が平均年収約750万円と他の地域を圧倒する数値を出しています。年収1,000万円以上の農家の割合が多いのは関東というデータも出ています。
これはあくまでも平均収入で、農業を起業する方が早い時期に年収400万円以上稼ぐのは難しいです。
新規就農給付金制度では年収250万円を超えると給付金の支給対象ではなくなります。
年収250万円が農家として1人前と認められる水準だと言えるでしょう。
年収250万円はサラリーマンの感覚だと少なく感じるかもしれませんが、食費や家の家賃が少なく済む事を考えれば生活できる必要十分な水準と評価できます。
稼ぐ農家は経費も大きい
某神奈川県の農家の方に夏のスイカの収穫時期に話を伺った所、自社で10トンの大型トラックを持っていて、1回市場に持っていくと80万円の売上が上がると言ってました。
収穫期には月に20日前後出荷する事になるので、単純計算で月商1,600万円です。
農業の場合は収穫期が限られているので月商×12が年商という訳ではないですが、1億円近い年商になっているでしょう。
ここまでの売上が上がれば純利ベースでも非常に高い金額が見込まれます。
しかし、その農家の場合は祖父と息子夫婦の3代で仕事をしていてバイトも雇っています。
定期的に数百万円の農業機械の新品を購入するなど使っている経費も大きいです。
従業員1人あたりの年収単価で見ると、これだけの売上が上がっても年収2,000万円以上は見込めないでしょう。
このように年収1,000万円以上は大規模農家が中心なので、ブランド果物など特定のカテゴリーで成功しなければ、新規参入して年収1,000万円以上に持っていく事は困難です。
それでも、良い収穫期に恵まれればサラリーマンと比較しても満足のいく収入を得られるお金の面で見ても夢がある仕事です。
農家の収入は他の地域の影響を受ける
農家は豊作であれば無条件で利益が伸びるという訳ではありません。
全国的に気候が安定していると、全国各地で豊作が相次いでいると供給過多になり野菜や果物の値段が落ちてしまいます。
このように市場相場の影響で儲からない事を「豊作ビンボー」と呼びます。
神奈川の農家に話を聞いた所、同じような野菜や果物を栽培しているライバルが千葉県で、台風が神奈川を回避して千葉県を直撃すると、豊作で野菜の価格も高騰して儲かるそうです。
このように、他の地域の収穫状況によって農家の収入は大きく変動する事があります。