露地野菜の1位がシシトウ、施設野菜の1位がミニトマト、果物の1位がバナナです。

人気の野菜・果物

私たちは普段、ほぼ毎日のように野菜や果物を食しています。
これらは、直接に消費者の手に届くのはスーパーや八百屋の売り場ということになりますが、元々は農家で栽培される段階がスタートとなります。

 

日本の農家は実に様々なものを生産していますが、その多くは野菜農家であり果物農家です
さてそれでは、日本の農業・農家において人気の野菜・果物とは一体どのようなものなのでしょうか。

 

 

人気の野菜

きゅうりやトマトなどの野菜の画像

 

まずは、野菜の中でどのようなものが人気なのかを見ていきましょう。
ここでは、農水省が公開している「農業経営統計調査」という資料を元にしたデータを紹介したいと思います。
この資料では、純粋に所得(粗利益から経費を引いた額)だけの数字が統計データとして表れています。

 

まず露地野菜から紹介すると、

シシトウ
ナス
キュウリ
ピーマン
トマト

となっています。

 

 

そして次に施設野菜について見てみると、

ミニトマト
イチゴ
ナス
キュウリ
トマト

となっています。

 

 

この順位を見れば一目で分かると思いますが、トマトとキュウリとナスは露地・施設の双方にランクインしています。
これはどういうことかと言うと、これらの野菜は露地栽培でも施設栽培でもどちらでも作ることが出来るということです。
どちらの方法でも栽培できるため、それによって得られる所得の額も必然的に大きくなるわけです。
尚、このデータはあくまでも所得のみに特化したものですので、生産量や労働時間といった要素は全く含まれていません。

 

 

労働時間を加味して考える

野菜を所得から見た場合の順位を紹介しましたが、農業においては労働時間という要素にも十分に注目する必要があります。

 

例えば、先程の「農業経営統計調査」で所得の額で1位になったシシトウについて言えば、1000平方メートルあたりの所得は143万円で、これに対して労働時間は2155時間になります。そして、この数字を計算すると時給換算で約664円になります。

 

これを見れば一目瞭然だと思いますが、所得の額がいくら大きくても、労働時間が長ければそれだけ時給や月給に換算した場合の給与は安くなってしまうのです。
所得額1位のシシトウですらそうなのですから、他の野菜については推して知るべしです。

 

例えばタマネギの場合は、1000平方メートルあたりの所得はたかだか11万円に過ぎませんが、それに対する労働時間は139時間ととても短いため、時給に換算すれば約924円になります。

 

>>農家の収入とは?

 

 

人気の果物

バナナやリンゴなど人気の果物

 

次に、果物の中でどのようなものが人気なのかを見ていきましょう。
一つ目にまず、日本バナナ輸入組合の行った「バナナ・果物消費動向調査」の結果を紹介します。

 

 

これによると、日本で最も食べられている果物は

バナナ
りんご
みかん
キウイ
いちご
パイナップル
オレンジ

となっています。

 

 

バナナが1位の理由としては、「値段が手頃だから」「美味しいから」「健康に良いから」といった声が多くありました。

 

ちなみに、この調査は過去数十年に渡って行われており、かつてはみかんが1位の常連でした。
しかし、2000年代に入ってからはバナナが常に1位を占めるようになり、2017年の時点では12年連続で1位に輝いています。

 

 

続いて紹介するのは、果物の収穫量のランキング(2015年)です。
こちらは上位から、

りんご
温州みかん
スイカ
ぶどう
いちご

となっています。

 

 

具体的な収穫量で言うと、1位のりんごが約81万トン、2位の温州みかんが約77万トンとなっており、2倍以上の差で3位以下を大きく引き離す結果となっています。